蝋人形の館 僭越 BGM Cocco「音速パンチ」

ー青蓮サイドー
 いつか赤光兄ちゃんか琥珀が言っていた話を思い出した。
この蝋人形の館には真実を映す鏡がある話を聞いた事がある。
その鏡は自分の見たい真実を事細かに映し出してくれる。不思議な鏡の正体をオレはしらない。
もしもそんな鏡があるのならば映し出して欲しい景色は一つしかない。そうたった一つオレの中にあるわだかまりをすっきりさせたいんだ。

オレの名前は風我青蓮 一日に一人しか入れない蝋人形の館の案内人のアシスト兼3代目の案内人候補として時間が流れないここにいる。
オレの成長は止まっている。実年齢はもしかしたらおじいちゃんなのかもしれない

時間が流れない空間で、一日に一人と赤光兄ちゃんしかいない空間は他人の目から見たら退屈な世界なのかもしれない。
だけどここには ここにしか赤光兄ちゃんはいないからオレはここにいる。
理由は赤光兄ちゃんが好きだから。
お父さんもお母さんも殺されて一人になった時に差し出してくれた温かい手をもっているからオレは赤光兄ちゃんの手を離したくない。

はっきり言えばただの執着心でしかないのかもしれない。
そう思われても仕方がないけれど本当にオレは赤光兄ちゃんが好きなんだ。
だから力になりたいんだ。
少しでも力になりたいから赤光兄ちゃんが案内人をやめる時に安心してこの蝋人形の館を安心して案内できる案内人になりたいと思っているんだ。
これは誰から言われたわけでもなく、オレが決めた事。
案内人になってしまえばこれからも、今まで過ごした以上にここにいる事になるんだろう。
案内人としてここへ招待する人をチェックして、招待して、困惑する案内人に対して安心させる事を言って、話を聞いて、決断にいたる。
その過程を言えば簡単。
だけどオレの心と招待した人の心は違うからそううまくいかない。
どんな言葉を使ってもどうしても人の心は届かない時もあるから。
そう考えるとやっぱりオレって必要とされていないのかなぁなんて考えちゃうけれど、案内人になってもしょうがないのかもしれないかもと思う時もあるけれど
やっぱりオレはこの館も赤光兄ちゃんも琥珀も、ここの創設者黒紗も白夜も好きなんだよなぁ。

真実を知ることは何かを失う事は分かっている。
オレが今どんな状態で、どれくらいの場所にいるのか知りたいんだ。
どうしてオレが能力者なのか、どうしてオレのお父さんもお母さんも殺されなきゃ悪かったのか
怖いけれど知りたいんだ。
赤光兄ちゃんは何かを知っているみたいだけど何も言ってくれない。
ただ何かを隠しているみたいな感じがする。

何も言ってくれない赤光兄ちゃん
時間の流れもないこの蝋人形の館と言う場所
どうしてオレがここにいるのか最近考えても考えても分からなくなってきている。

だから一大決心したんだ。
真実を映す鏡を探して、お父さんとお母さんの死を見つめなおそうと。

探し出して数日後だった。
鏡は見つかった。それもオレがあまり好んで入らない蝋人形となった人たちの中に入っていた。
オレは鏡に向かって見たい景色を伝えた。
鏡に映る景色を見る代わりにオレは何かを失う。
それが自分の持っている能力だったらいいのに。そう心の中では思っていたけれど結果は違っていた。

ー赤光サイドー
「青蓮?青蓮?・・・おかしいなぁ」
この時間はご飯の時間だから必ずキッチンにくるはずなのになぁ。
今日の仕事も終わって、ゆっくりできるから久々に青蓮と話をしようと思っていたのに。
この数日青蓮の様子がおかしかったのは分かっていた。
何かを探しているみたいで、声に出して言わないけれど何かを求めている目をしていた。
あんな青蓮を初めてみたような気がする。
それともそういう風に見れなかった私のせいなのかもしれない。
もっと早く真実を伝えておけばよかったのか。この後起きる事を知ってしまった後は真実を伝えていなかったことを後悔することになる。
青蓮の部屋を探して、仕事部屋を探して、・・・・・まさか

お客様が望んでここにいる事になっている蝋人形になった人たちの部屋に入ると私の気配に気がついたのか何かが動いた。
「・・・青蓮?」
「・・・・」
何も言わない青蓮とその前に合った鏡を見たとき合点がついた。
「赤光兄ちゃん・・・・」
泣き出しそうな声で私を呼び、近づこうとした瞬間勢いよく青蓮の手から水が流れてきた。
今まで浴びた事のない激しい水圧だった。
息が出来ない。その中で鏡に映った景色を見た。
映し出されていたのは青蓮の両親が亡くなった所と両親を死に追いやった組織のこと。

思い出した。
今は亡き義父の組織だったということだった。
私自身も青蓮の両親を殺した仲間だと言う事。
直接私が手を下していなくてもこういう事を繰り返して生き延びてきた義父の手のひらにいたから同罪だった。
「青蓮!!」
声の限り私は叫んだけれど青蓮は部屋を出て行って私は意識を失った。

「・・・・光・・赤光」
声が聞こえる。
柔らかくて甘い声。
うっすらと目を開けると長い黒髪が見えた。
女性・・・まさかもう次の日になっていたのかな?
焦って体を起こそうとするのを両手で力一杯止められて改めて目を開けた。
「よかった。目がさめたんだ。大丈夫?」
漆黒の目が心配そうに私を眺めてくる。
「はい。ありがとうございます。ところで」
「何?赤光」
「どうして私の名前を知っているんですか?」
あれから一日意識を失っていたとしてもここは一生に一度しか来れない場所なのに(鷹晶さんは別として)
「やだなぁ。私だよ。要。浅倉要だよ」
長い髪の毛を掻き分けて先輩が作ったピアスを見せた。
ってことはあの11歳の要ちゃん?(8話の魔弾登場人物)
「えええ!そうなの?ずいぶん大人っぽくなったからわからなかったよ」
心配させないようにゆっくりと体を起こすけれどどこか体が重たかった。
「私も18だもんね。今は音楽で生計を立てているんだよ。」
「そうなんだ。私もバイオリンの練習していますよ」
「ああ。私の使っていたバイオリンまだ持っていてくれたんだ嬉しいなぁ。」
起き上がる私の体を支えながら要ちゃんは笑ってくれた。
初対面で会ったときには見えなかった笑顔がどこか眩しくて、そして儚く見えたのは私の錯覚なんだろうか?
「ところでどうしたの?ここにきたら水浸しだったけれど」
心配そうな目で私を見つめながら聞かれたから話すしかなかった。
青蓮の両親を殺したのは私の義父だということと
その組織に入っていたことも
そして青蓮が力を暴発させてしまって両親を殺してしまった事もすべて話した。

「そっか。・・・青蓮にもそんな影があったんだね。でも大丈夫だよ。」
「何がです?」
「赤光が今まで青蓮を愛していたんだからきっと分かってくれるよ。だから、ね?」
要ちゃんの声は不思議と私を勇気付けてくれた。
もう一度青蓮とやり直せると思えるようになった。
「こんな時に女の子に励ましてもらえるなんて情けないですね。本当に」
「誰だっていつだって元気でいられるわけはないんだからさ、甘えていいんだよ。」
「こんな所先輩に見られたら怒られるだろうなぁ」
要ちゃんらしい言葉にほっとしてちょっとだけぼやいたら要ちゃんは不思議そうに私を見て
「先輩?」
「え?琥珀先輩ですよ。ここの初代案内人の」
「そんな人いたかな?私会っている?」
要ちゃんが嘘をついているわけはない。それに何よりもその耳につけているピアスは先輩が要ちゃんのためだけに作ったものだ。
「本当に覚えていないんですか?」
少し私の目を見るのを止めて考えているみたいだけど何も思い出せないみたいだった。
「ごめん。何も分からないよ。ここに来た事は覚えているし赤光も青蓮のことも覚えているけれどその人の事は覚えていない」
必死に訴えている私を察して要ちゃんも苦しそうな顔をするから私はこの質問を止めた。
考え込む要ちゃんの頭をなでて、一緒に部屋を出た。
これがいつものサイン。何も聞かないということ。
それに気がついてまた要ちゃんは嬉しそうに笑って私の後ろを追いかけてくれた。

ここは案内人としての能力を発揮していい場所だった。
扉を開けた瞬間水が流れて、消えて、流れて・・その連動だった。
「青蓮」
びくっと体を震わせて私の声の方をみる青蓮。
傷ついた目だった。
泣き出しそうな顔だった。
その顔をみるのが辛くてでも受け止めていかなきゃいけないと私の本能は叫んでいる。
「赤光兄ちゃんがオレの両親を殺したんだね?」
「・・・・・・そうですね。直接手を下していなかったとしてもそうなりますね」
「人殺し」
1番言われてきつい言葉だったかもしれない。
やっと自分の名前が思い出せて、朋華のことも思い出せて突きつけられた言葉が痛くてたまらないけれどこれも私が犯してきた事だったから。
「赤光。自分の気持ちに負けちゃだめだよ」
後ろにいた要ちゃんが言ってくれた。
その言葉と同時に青蓮の能力の水が私に向かってくるのを感じた。
よける事は出来たのかもしれない。
でもよける事は青蓮の痛みを受け止めていないように感じたから私はよけずに、何もガードもせずに立ち尽くしていた。

いきなり強い力で引っ張られて青蓮の攻撃を免れたけれどこの力は女性の要ちゃんの力じゃない。
「バカ野郎!!あんなのまともに喰らったら死ぬぞ」
呆然としている私を引っ張りあげて鷹晶さんがそこにいた。
「いつからいらっしゃったんですか?」
「さっき来た所。で、そっちの可愛い女の子は誰?」
青蓮の攻撃をガードしてくれた要ちゃんは私と鷹晶さんをみるなり侮蔑したような目で鷹晶さんをみていた。
「あなた。人間のにおいがしない。ワ−ウルフでしょ?」
「なんですか?要ちゃん」
「狼と人間の血が混じっているハーフの種族の事よ。・・・・・あなたもここを荒らそうとする人なの?」
侮蔑された目には抵抗はあったんだろうと思ったけれどさらりと鷹晶さんは流して首を横にふった。
「俺は赤光の友達だよ。ここを荒らす理由はないよ。」
「そうでしたか・・・。ごめんなさい親友がワーウルフによって殺されたのでついそういう目でみてしまってしまってごめんなさい。」
鷹晶さんの死角をついて後一歩で鷹晶さんの首に鎌が当たる距離まで接していたのを止めた。
「よかった。誤解解けたみたいで。そうなんですよ。鷹晶さんはここのお客様でもあり私の友人なんですよ。」
「まー、誤解解けてよかったけれどあの暴走少年をどうにかしなきゃなぁ」
再度水を使った攻撃を向ける青蓮をさして鷹晶さんはロザリオを刀にかえた。
要ちゃんも鎌と兼用しているフルートで魔曲(作曲した英雄を具現化させて攻撃させる技)の準備をしている。
私にできることは・・・・・

「鷹晶さん、要ちゃん。私を青蓮の傍に行かせていただけないでしょうか?」
「え?まじ?」
「赤光が飛び込んだら危険だよ。やめたほうがいいよ」
二人とも私の考えを却下するように言っているけれど私にできることはこれぐらいしかない。というか思いつかない。
私の志向を読んで二人はお互いに目を合わせ納得してくれた。
「ありがとうございます」
それだけを言って青蓮の元へと走り出す私に向けられる水の力を鷹晶さんと要ちゃんは私の代わりにガードしてくれて青蓮に近づけさせてくれる。
あと数メートルのところで青蓮が攻撃を私に向けるようにしているのを察知できなくてこのままじゃまずいと思った瞬間青蓮の動きが止まった。
呆然と立ち尽くしている青蓮の視線の向こうは要ちゃんだった。
「うた?」
「今のうちに青蓮に近づいて!」
再び歌を歌いだす声に魅了されているのか青蓮は一歩も動かなかった。
「青蓮。ごめんなさい」
細くて、まだ幼さが残っている体を力一杯抱きしめた。
「離せよ。やだってば。」
私の腕から逃げようとする青蓮を動かないように固定して思いつく言葉を紡ぎだす。
「確かに私は人殺しです。ですが生きていく為にはしょうがなかったんだと思っていました。だけど守るべき存在があってやっと生きていると言う実感が湧いてきて」
「しょうがないなんかで人を殺せるのかよ?」
「償いなんです。私がこうしてここにいる事も、案内人をしている事も。だけどね青蓮」
「何?」
「私はあなたを償いなんかで一緒に生活をしているわけじゃありません。あなたがくれる笑顔、言葉があるから私は私でいられるんです」
「オレがいるから?」
「はい。こうしてお帰りもただいまも言えるようになったのは青蓮がいるからですよ。たった唯一の存在なんです。失いたくないんです」
「・・・・・オレだから?」
「そうです」
「今こうして両親の敵がいるのだからこのまま殺されてもかまわないと思う時もありますが、私はここの案内人である以上そうする事も出来ません。」
「だから・・・?」
「青蓮が案内人になった時には私を殺してもいいですよ」
「できないよ。・・・・・両親を失ったオレに沢山教えてくれた人をころすなんてできないよ」
泣きながら私の体にしがみ付く青蓮を力一杯抱きしめる。
抱きしめるだけで何を伝えられるのか分からないけれど私は力一杯青蓮を抱きしめた。
「ごめんなさい。・・・・力の暴発がオレの両親を殺してしまったのに赤光兄ちゃんのせいにしてしまって。・・・・」
「いいんですよ。過去は塗り返せないけれど未来は塗り返せる力を青蓮は持っているんですから。だから今まで通りの青蓮でいてください。」
「オレはオレのままでいいんだね。」
「そうです。」
「水びだしにしたの片付けたら、また案内人として生活してもいいの?」
「もちろんですよ。」
「オレが幸せになっていいの?」
「もちろんですよ」
「よかった」
連日力を解放しつづけたから青蓮は私の胸になだれ込むように倒れてしまった。

ー赤光サイドー
「黒紗さん。どうして要ちゃんの記憶をそうさしたんですか?」
琥珀先輩の事を忘れさせる事でどんなに要ちゃんがきずついたのか昨日鷹晶さんがアフターケアに行っているのをみて感じたのは
「先輩も要ちゃんもお互い両思いなんですよ」
つめよる私の動きをとめて
「記憶を操作してくれて頼んだのは琥珀だよ。要ちゃんがこれから背負う未来に自分の存在が依存するんじゃないかなとおもって記憶を消してくれと頼んだのは琥珀なんだよ」
「だからって人の思いを操作して何が楽しいんですか?」
「苦渋の選択だったよ。でもそうしなきゃ要ちゃんは戦えなくなるんじゃないかなと思って、それに両思いなら思いだせるようにしているんだよ」
つまり二人の思いが同じなら、強いショックがあったら思い出すようにしていたみたいだ。
案内人とお客様という立場だから試練はあると思っていたけれど記憶を操作されるとは思わなかった。

でもこれも先輩や黒紗さんの決めた事だから私はただこうしてみているだけでしかないんだろうなと思った。
複雑な思い出宙を眺めていると青蓮がはいってきた。
「赤光兄ちゃん、黒紗・・・ごめんなさい」
「いいんですよ。青蓮が持っている能力は人を傷つける為のものじゃないんだから。ね?」
「オレ、オレ・・・案内人になるよ。」
「本当に?」
私よりも先に黒紗さんが反応した。
「確かに私よりは能力もあるし、交渉術も炊けていると思いますがまだ荷が重いと思いますよ」
「でも本人のやる気を削ぐような真似をする方がよっぽど悪いんではないか赤光?」
「・・・・・・わかりました。」
私は案内人、でも物事を決めるのは黒紗さんだ。
決定事項にしたがわないわけにはいかない。
「オレ絶対一発で合格するから、赤光兄ちゃんは朋華姉ちゃんのことだけをかんがえていればいいんだよ。」

ー要サイドー

青蓮が意識を失って2日
私は今回この屋敷に来たのは親友の朔が私の身代わりに死んでしまった事へのショックだった。
血で血を洗う戦場を文句も言わずについてきてくれて、私の身代わりに死んでいってしまった朔のことを思うと心が痛むけれど
今回の青蓮と赤光のやり取りを見ていると私もいつまでも日きづっているわけには行かないなと思った。

琥珀・・・
やっと思い出せた時には赤光をかばって亡くなっていることだった。
琥珀が生前使っていた部屋にはいって7年前に眠っていたベットで横になっていると鷹晶さんが私の傍にやってきた。
「要ちゃん。タバコ吸わない?」
「え?」
「オレも人づてに聞いたんだけど琥珀ってタバコを吸う人だったから気分転換にもなるかなとおもって。」
「そうかなぁ」
「俺今日は愛用のハイライトないから琥珀って言う人のタバコすわせてもらうわ」
そういいながらなれた手つきで琥珀が愛用していたマルボロを取り出してすいはじめた。
「辛へびー」
差し出されたタバコを恐る恐る手にとって見ると即座に火をつけれれた。
体に害があるし、これでもアーティストだから喉はいためてしまうかもしれないけれど折角の厚意を無駄にするわけにはいかない
思い切ってタバコを吸うと思いっきり肺が侵食されそうなほど痛みだした。

「要ちゃん。辛い時にはないていいんだよ。」
「たばこのせいにしてないちゃえよ。」
甘く優しい声が聞こえる。ずるい。そういう所琥珀にそっくりだったから。
「こんなのすっても美味しくないよぉ。琥珀に会いたいよ」
思わず本音がでたときに私の背中を大きな手がさすってくれた。
煙のせいもあるけれど今泣いているのは会えない寂しさだった。そんな私に鷹晶さんは
「大丈夫だよ。いつかきっと琥珀にあえるよ。大丈夫」
何の確信もないのにそう言ってくれる優しい声が心に染みた。

「ありがとう鷹晶さん。私の自己紹介しますね。浅倉要現世では音楽を生業にしています。」
「まじで。オレも音楽しているんだ。今度セッションしようよ。」
そんなたわいのない話に盛り上がって背中をさすってくれる温かさが気持ちよくて鷹晶さんの体に身を預けてポつりポつりつぶやいた。

「私薄情だよね。あんなにお世話になっている人の事わすれているなんて。・・・・本当に」
「でも日々の繰り返しで忘れる事ってあると思うよ。忙しすぎれば過ぎるほど大切な思い出って消えるのかもしれないしね。
そういうきず気付きが教えてくれるのがこの蝋人形の館なのかもしれない」
「そうだよ。そうだよといいね。」

時間も、季節もない空間で得られる答えは人それぞれだけど私はここにいる。
だから大丈夫。そんな確信がついてきた。
きっかけは分からないけれどこうしてまたこれてよかったと持っている。
「ありがとう鷹晶さん。さっきは勘違いしてごめんなさい」
「いいんだよ。親友殺されたのが俺とおなじだったら警戒心もつよな」
「ですが鷹晶さんはちがいますよ。」
それだけを言い残し残っているタバコを吸い出した。
喉を焼ける痛みと息苦しさを感じながらこれもここに来た事の証としてしっかり覚えておこうと思っている。
今唯一ある琥珀がくれた水晶のピアスをぐっとつかんだ。