激華 BGM T.M.R「魔弾」「INVOKEーインヴォークー」
その声、その目、その体・・何もかもすべて俺の感覚は奪われていく
今は一人の女の手の中にある一欠けらの氷のように、共に溶けていける事があればいいのにと思う俺がいる。
案内人としてのプライドも 誰も心の中に入れないと決めた誓いもすべて飲み込むほどどうしてこんなに心を奪われていった?
月明かりが差し込む部屋 最低限ある家具の一つであるベットから体を沈め、この部屋の持ち主浅倉要に触れる。
滑らかな髪の感触とシャンプーの香り一房髪の毛に指を絡めているけど一向に目が覚めない。
真っ白い艶のある素肌にうっすらとつけた痕花びらが散ったように見える。
指でなぞる白い背中に残る傷跡と重なって前世時の羽が一瞬表れて消えた。
「・・ん?・・」
寝ぼけ眼でじっと俺の顔を見上げ名前を呼ばれる。
「何だ?」
「・・・まだしたいの」※『?』を付け忘れている
7年ぶりに触れ 見えない間にあった成長過程の間の出来事 触れた部分触れられた部分が熱を持って消えることを知らないくらいにずっと体の中に残っている。
悲鳴のようにきしむベットの音、痣をつけた個所に再度かみつき二度目の行為にさらに体は敏感に反応していく。
そして理性という名の自制意識が飛ばされていく。
俺が狂わせているんじゃない。お前が狂わせたんだから。
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蝋人形の館の案内人としてもう何人もの末路を見てきた。
下手にお客様を心の中に入れていると 別れる時その手を離したくなくなるから手を離さない事は案内人としてはしてはならない事
・・分っている
だから切り捨てた 案内人としていられるために初めて心に入れかけたお客様を自らの手で裁く時とても辛くて初めて泣いた。
涙なんかで案内人の俺が何もできないのに
・・・分っている
「強い」と言われてもどこか虚しい何かが足りない満たされない 不自由のない生活・・・案内人としてだけど
「館にいや俺にも空はないな」
天井を見上げるとうっすらと何かが見えた。
ああ・・またか
俺の目は人の過去と未来が見える それはごくたまにだけど一定の場所にいるとその場にあった出来事が赤裸々に見える。
いやだ 気持ち悪い どうして俺だけがみえるんだ・・他人とはちがう目が嫌いだった。
今日のお客様の姿が天井に見えて 何故天上なんだ?と思った瞬間その天上を突き破って見事に大きな穴をあけて落ちてきた物体がやってきた。
落下場所が見えてものすごい落下速度と重力を受け止めてほっと一息ついて手の中にあるものをみる。
だんだん無くなっていく温もり 血痕のついた個所と新しい血が流れて止まらない。
それが人間だってすぐにわからないくらいに体中が血まみれで特に右手の個所が深い。
「羽か?」
落ちた天上の穴から一枚の羽が降ってきた。
「・・・・っ・・・」
小さな聞こえない声で手の中にいる人間が俺の方を見る。
近寄ったら殺すぐらいの勢いの中に自分を殺して欲しいって感じる目を向け また深く意識を落としていく。
幼い女の子これが今回のお客様 とりあえず自室ベットに寝かせて赤光に診てもらうかと検討した時にふっと女の子が女性に いや別人に背中から大きな羽も見えた。
「どうしたんですか?この方重傷ですよ」
薬箱から包帯と傷薬を取り出しながら
「ああ、、薬が足りない いやそれよりも体の傷をふき取らないと。先輩体拭いてくれますね」
部屋にあるタオルをぬらして着ている服を脱がせ思わず
「真っ白」
その分だけ焼け爛れた傷跡や今回の怪我が生々しく体で示すように見える。
まだ食べごろ・・・ってなに考えているんだよ俺?
11歳のガキに それにお客様なんだぞ!!
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しなやかな体を震わせながら痛みを堪えるように爪を立てる
「辛いか?」
首を横にふるたびに髪に絡んでいったピアスが落ちていく。
それでも続ける行為にさらに熱が帯び,今まで見た事のない表情や甘い声 待ち焦がれた瞬間この時が終らないように。
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「ふぅ」
様態が安定したから後は回復を待つだけ
今回のお客様に着いてのデータ−資料を見ながら俺のベットを占領している要を見ながらデータ−に載ってあったことを再度さらっていく。
天才音楽少女でピアノ、バイオリン同時にならって莫大な賞をとりその後行方不明。
その空白の合間を過去を覗こうとしても暗くて見えない まるで触れさせないみたいに何も見えない。
今となっては,ほんの少しの好奇心と見えない部分を見ようとする気持ちそれが俺を狂わせた原因
「な・・なにするのよー」
最初に見せた冷たい、計算ずくで物事を見ているような印象が消されるように11歳らしい反応をみれて心で笑いながら少しほっとした。
再度ドレイ宣言を繰り返しほほにキスをするとまた表情が崩れてぼろぼろと泣きそうな顔を向けながら抵抗をする姿が新鮮で、楽しくなってきた。
お客様以上の領域でこの浅倉要に興味を持ち始めた瞬間かもしれない。しっとりと吸い付く肌に口付ける度にこれだけじゃ足りないとじれてしまう自分がいた。
一緒に生活をするごとに見える些細な表情の変化や笑顔その表情も声も顔も なにもかも俺だけに見せて欲しいという欲望が湧いてくる。
「俺は案内人であいつはお客様それだけだ」
俺はロリコンじゃねぇ。それに25と11って犯罪になる。
大義名分や一般論を持ち出して 横道にそれないようにその3つを繰り返し気を静めるために席を立ってお風呂で気分転換しにいく。
どこからともなく水音が聞こえて
「表面的に付いた血は流れても、罪は消えない」
自傷するように必要以上にボディソープとブラシを肌に立てる姿がそこにあった。
普段はぎこちないけど 赤光と青蓮といる時には笑っている。
その笑顔の中にもどこか影があって 俺がちょっかいをだすとつっかかったりする抵抗
人と今まで付き合ったことがないから戸惑っている スキンシップとは縁がない反応それ以上にその影の正体が分らない。
今言っていた罪が分れば何かをわかるのかもしれない。
酒を飲ませれば心に引いているカーテンも開けるんじゃないかと思って飲ませた
そういえば考え方とかはともかく表情やら感情表現は乏しいというか......
髪の毛が伸びていたらはさみを使わずに、赤光の持っているナイフで切ろうとしたり
一心不乱で何かに没頭する姿や出来事があって
同じくらいの青蓮と比べて感情表現やら人間味がないって事 そして自分が女である事を嫌うように「女」って言われ気遣われると激怒したり。
が・・
「酒弱いんだな・・」
おちょこ一杯で真っ赤になって湯船の中でぐったりしている状態から出して
赤光、青蓮に見つからないように寝かせているベットに荷物を置くように置く。
「そばにいて」
同時にシャツのすそを握られて再び眠りにつく。
シャツを脱いででもその場から離れようかと考えている時に聞きなれない名前が聞こえてきた。
誰だ?お前にとってその人間は どんな存在なんだ?
半ば嫉妬に近い感情
「なるべく見たくなかったが悪いな」
小さく謝罪をして意識を集中して過去を見ようとする。
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「殺風景な部屋でしょ?」
ゆっくりとベットから離れて部屋を歩き呟く
「無駄な物があるよりはそっちの方がましだと思うが」
「閉所恐怖症である特定の物があるとだめなんだけど その特定の物もあるんだよ」
過去の映像から11歳よりももっと幼い時代の映像が見える。
広くて暗い部屋の中一人っきりで与えられた練習と課題曲を繰り返し繰り返し人形のように演奏している姿が毎日毎日続いている。
そんなんじゃスキンシップを知らなくても当然だなと思いながらその事が原因なのか一人で真っ暗な部屋でピアノと向き合っていると倒れる体になった。
呼吸ができない魚のようにぐったりと横たわっている状態 それは今でも変わらない口ぶりだった。
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「抜けない」
シャツを脱ごうと思ったら今度は空いている右手が髪の毛を引っ張ってくる.
このままずっと半乾き状態でおきるのを待つのも辛い物がある.これは事故で決してやましい気があるんじゃない。
そう言い聞かせて空いているスペースに入り布団を被せる。背を向けていた顔が急に振り返り接近した時思わずどきどきしてしまって寝ようと思っても中々寝付けない。
子供の体温と柔らかい感触に心地よさを感じながら 小さく縮こまっている体に触れ初めて人の心地よさを感じて。
どうしてこいつなんだ?考えていたけどゆっくりと眠気にのまれていった。
漆黒の色をした目が真紅に変わり今以上の殺気とはじめて見たあの目が重なった。
本来の堕天使姿を見せられ所々血がついた羽を震わせて飛んでいった姿にしばし俺と同じく赤光と青蓮もまた呆然としていた。
「オラ!さっさと行くぞ」
二人を促して館から出た場所の結界に当たった時
「どうしますか先輩?」
目には見えない結界の壁で右往左往している時間の間に要は・・要は
「分かっている事言わせるな。叩き割るぞ」
能力の火を集中的に結界にぶつけて一人は入れるぐらいの壁穴を作った。
気が付けば
「琥珀・・どうして?」
俺はあいつを庇っていた。
どうしてってそんなの俺がききてぇよ。
抱上げられた体の指先一本も思うように動かない
「戦いは、、男の役目だ。」
少しでも戦いに 負傷した俺のことを忘れるように言った事だけどもう考えるのはいい。
今はその視線も声も俺に向けられているそう思うと今すぐにでも意識を失いそうなほどうれしい そして温かい。
後で聞いていたら傷を治してくれたと意識を失っている間に断片的に見えた前世の生き方
一言では言い切れないくらいに、他人を恨んでもいいのにこうして俺を癒してくれる力ももしかしたらあの時目があったときにすでに心奪われていたんだろうな。
気持ちを整理して歩いていると聞いたことのない曲が聞こえてきた。
その曲につられてその部屋に入り曲を弾き終えた後に現世に帰る決意を話す。
何の惜しげもなく泣いている姿と力を使ったためか少し小さくなった羽が成長した分の肉体成長とそぐわない傷ついた子供のように見える。
もう我慢はしない。案内人である事よりも今目の前にある要に何もできないままでいる事の方が辛い
「こいよ」
俺はあいつになにをしようとしている?
その肩を力一杯掴んで逃げられないようにしてなにができる?俺があいつにしようとしていることは・・・愛情なのか?独占したいのか?
これが罪なら好きなだけ罰せられてもいい。11歳らしくない達観も遠慮も自責も・・なにもかも体だけじゃなくて 心も壊してしまいたい壊してなにもかも 俺のことが入るくらいに。
差し出した手に指先までこわばった手が触れ一気に握りこもうとするより先に
「やだよ」
引っ込みのつかない手が虚しく空気を掴んでいる。
「私の存在が罪だから その罪を背負うのは自分だけでいい。それに守ってもらうほど弱くない」
それだけをいい背を向ける。
「じゃあどうしてそんなに空けた心が見えるような眼で俺を見る?」
「・・・」
何も言わず黙っている要の体を抱上げた。
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あとは今みたいな事をしてしまって・・・
抜け殻になったベットに残る温もりを感じながら7年前と今の表情を覚えているだけ並べる。
「どうしたの?」
いれたての紅茶を手渡されながら無防備に顔を覗き込む。
こいつ何も分っていないそのギャップも含めて男心そそるって忠告しているのに7年たった今でも いやそれ以上に・・・・。
愛情か壊すのが先だったのか 分らなくて俺が抱いているのか それとも抱かれているのかどちらか分らない。
同じような特殊な環境で育って 共通の話題も趣味も殆どない距離がどれくらいかもまだわからない。
過去と未来が見える目をもって 案内人として生きて成長も進化の波も昔みたいに焦って、休み泣く事も忘れた胸に唯一執着し、俺の心臓わしづかみした人物
欲しい物は許しでも嘆きでも過去でもない一緒に生きて 生きていくならあいつがいい。
「要」
「初めて名前呼んでくれたね」
嬉しそうに笑っている体を引き寄せて口付ける。
生きている事を確かめるように 伝わる体温と伝える熱ぶつかり合うように口付は意味を変えていく。
案内人じゃなくて一人の男としての俺はこのままでいい。このままあいつと一緒に生きていきたい。