純粋〜それゆえ BGM ICEMAN「Shining Collection」


 真っ白な空間と音も香りも色も無い無味空間な世界すべてが何も無く 刺激も無く 嫌な声を聞かなくてもいい ただ残っているのはこの体だけ。
そう思う時が楽になった半面まだ私は生きているのか・・と思ってしまう。

「ねぇ?ここは死後の世界?」
「いいえ。近いようでちょっと違いますね」
にっこりと笑い差し出された手 不思議と私の心にその笑顔が染まっていく。安心感と言う色
「ここでは貴女が自ら望んだ道を決める場所でもあり仮初めの空間でもあります。だからそんなにこわばったお顔をしないでください」
「仮初め?」
「はい。貴女の魂がここに迷いこんだと解釈してください。時間を忘れて貴女の心の中にある答えを出してくださいね」

 そう言われて真っ白な空間から よく本やテレビで見る豪邸や生活空間は映画や童話で出てくる不思議なお屋敷って呼んでもいい場所に私は身を置いている。
どう決めればいいって言うの?
ここで 私は 身の降り方もこの場所の名前もそしてあの人の名前も教えてくれないまま仮初めだからと言う理由で 私の名前も聞こうともしない。
ここにいる間の身の回りの世話やお話し相手にはなってくれるけどどうしてここに私がたどり着いたのか?どうして何も教えてくれないのか?疑問だけが流れていく。
ただ残っているのは温かい手のひらの感触が・・・を思い出してしまう。

「もう私には関係ないもん」
言い切るように他の事を考えようとこの場所の疑問と自分なりの回答を出していく事に時間を費やしていく。
だけどそれだけじゃ物足りなくなって このままの安定感にいる事が怖くなって
「どうして私の事聞いてくれないの?」
食事中に聞いてみた。
「貴女が動き出すために私という案内人はいるんです。貴女が何も聞かなかったから私も聞かなかったそれだけですよ」
「それって私が動くのを待っているだけだったの?」
「そうですよ」
はっきりと答える綺麗な声が私の耳には鋭さを持った感じに聞こえてくる。
「言い方を変えると私が望んだ事は実行してくれるって事だよね」
「・・・私が出来る範囲ならですが」
「じゃ私を捕まえる事が出来たら話してもいいよ」
 本当は誰かにこの胸の内を聞いてもらいたかったけど 誰も話す気になれなかった。
その分初対面で誰だか分らないこの人には言える だって私の名前も知らないんだから。何を言っても恥ずかしくない。
だけどただ話すのは癪に障るし 私が動かないなら何も聞かないって姿勢どこまで維持できるか試したくなった。
ちょっとした悪戯心からしかけた鬼ごっこに
「分りました。私も全力で貴女を捕まえましょう」
「じゃ10秒数えてから追いかけてきてね」
ドアを勢いよくあけてこのお屋敷をあてもなく走り出した。

 どうしてこんなにどきどきするんだろう?早くつかまりたくないのか 未知の空間を好き勝手に動き回っている楽しさかどっちもわからないけど
悪戯心から始まった鬼ごっこにあの人は本当に付き合ってくれるのかちょっと心配になって後ろを振り返ると姿が見える。
ほっとして始まったばかりの鬼ごっこをなるべく早めに終らせないようにまた走る。振り返ったら姿が見える位置のまま息が切れて立ち止まるとあの人も歩みを止めた。
「ねぇ?」
「どうしましたか?」
「本当はすぐにでも私を捕まえられるんでしょう。どうしてその位置を保っているの?」
「貴女がその状態を維持していたいと感じたから」
 見えるのに触れられない捕まえきれない距離はまるで私とこの人の心の距離にも感じた。
「久々にこんなに走ったよ。ちょっとくたびれたかな」
疲れてハーハ−呼吸している私とは違って乱れた息も無くて穏やかな笑顔を浮かべている名前も知らない人その場に座って壁に体を預けながら少しだけその人のそばに動こうとすると
「一時休憩にしましょうか?まだ鬼ごっこは終わっていないので」

首を横に振って
「私ね、もうそろそろ死ぬかもしれないんだ」
「何故そういいきれるんですか?」
「体の抵抗力が小さい時からなくてちょっと動いたりするとすぐに病気にかかったりしていたから ずっと行動を制限されてきたの。動かない分ウイルスも体に入らないし 周りの人は安心するわけなんだけど・・・」
 何年もずっと何も出来ないまま夢も望みも無く生きるよりも1日を精一杯生きたい
生きれたら 周りが選択してよい判断をするんじゃなくて私が私である限りの生き方の判断が出来るには
「成功する確率が20%の手術 成功すれば自由にどこでもいける行動範囲の幅も増えるけど失敗したらを考えると怖くて」
 きっと口にしてしまえば両親や医師は手術を止めて現状維持に力を注ぐだろう。
20%にかけるリスクは高いから。たった20%・・・数値だけが重たく圧し掛かる。

 生きたい 外を思いっきり走り回りたい 思い描く外への憧れと一緒にどんどん保守的になってしまう。客観的事実だけ回りは知っていて 私の知らない間にひろまわっている。
 それだけが先走りして気を使われて 安心と言う名のきめれれた場所 定地に追い詰めれれていると感じてしまうのは
私だけなんだろうか?怖い・・・苦しいんだとても 心を締め付けれれるみたいで私が否定されているみたいでとても とても・・・苦しい。
叫びたい 私が今欲している事を 伝えたい 本当の心を叫ぶ伝も 伝えられる方法もわからないまま一人怯えていた。分らない事が怖いんじゃない
伝えれれる方法が見つけれない焦りでもない こういう風に何も出来ないまま 時間だけが経つ事が怖かった。

「成功率が低いから怖いんですか?」
汗ばんでいる私の手に軽く、そっとふれて聞かれる。
「失敗したらもう生きられないんだよ。怖いよ!」
「それは数値だけで必要な事はまだ他にあるんじゃないんですか?」
「貴方にとっては他人事だけど・・他に私に残っている事って何よ!」
「数値だけでは何も見えません 真実も明日の事も・・ただの目安でしかないと思います」
「何も・・見えない・・」
 くり返されるこの人の言葉 必要な事は何もないって言ったけど生まれてから年端も言っていない私に必要な物 糧になった事沢山あったはず。
出会いも、別れも塞ぎこみがちな一室で励ましの言葉をかけてくれたのは誰?
何も伝えきれなかった私に言葉を教えてくれたのは誰?
私が伝えたかった事を聞いてくれたのは・・・
「大丈夫ですか?顔真っ青ですよ」
「あー・・・」
思い出せない いや思い出したくない。
沸騰した水に無理やり蓋を閉じているようになるべく思い出さないように気をそらした。
「急に走ったから今日はもうお休みになりますか?」
「うん」
小さく呟いてすこしよりかかる私を支えて部屋のベットまで連れて行ってくれた。
「ありがとう。えっと・・」
名前を聞くより先に
「今はゆっくり休んでください。何かあったら遠慮なく呼んでくださいね」
開けていたドアを閉めていく まるで名前を聞かれるのを避けるように そして私自身を避けるように

 コチコチコチ 腕につけていた時計の音が規則正しく聞こえてくる。
不規則なリズムでなく一定に わけ隔てなく聞こえてくる音が耳障りに感じて、苛立つ 焦る 混沌 行き詰まる自分 自分の時間も秒読みされている感じがして思考を停止したくなる。
時間が迫る 怖い 所有できる時間がどんどん減っていく 数えても数えても足りないくらい時間が足りない。
欲しい元気な体が 動き回れる足が 大きな声を出せる声が 何よりも困難に逃げない強い心が欲しい。
静寂な時間がますます暗い方向へ 望んでも手に入らないことばかりを考えてしまう。
「ばかだね・・」
疲れきったため息とともに出した自分の評価はまだ失っていない事に すでに失ったものよりも失いかけそうな事ばかり気にして 怯えてまだ見えない明日を決め付けて 自分の中で絶望の世界を作って。
その中で閉じこもって手を伸ばして空を切る小さな手のひら 覚えているのは温もり・・誰の?思い出そうとしてどこかで思い出すのを必死で抑えている 締め付けている温もりの正体をかき消そうとしている。
 どうして・・どうして思い出そうとしているのをやめようとする?
怖いから?知るのが怖いから?思い出したくないから?・・・・思い出したら傷つくから?
どこにもいけない自分の事なのに分からない 反発している自分の中で一体自分がどこで生まれたのか ただ覚えているのは手のひらの温もりと生きられる可能性は20%の手術
断片的にも覚えていない たった二つしか分らない。
 傷つく事が怖いから目を閉じて 自分の事から逃げている弱い自分はそこから決別するためにこうして今自由に出来る時間があるならば
「失う事なんて怖くない。これ以上考えていても始まらない」
頼りない二つの記憶を辿っていくのも私一人じゃままならないから。

「どうしましたか?」
本当は呼び鈴とかあるけど 向こうからきてくれるのは嫌だから自分から記憶を頼りに探しに出た。
 割り当てられた部屋から出た瞬間甘い香水の香りと心地よい音楽が迎えるように出てきた。
「あのね・・」
「あせらなくてもいいんですよ。私はここにいますから」
今まで聞いた中で1番優しい声だった。もちろん今までも優しかったけどどこか拒絶をしている感じがして
「思い出せないの。さっき言った20%の手術の事しか」
「先ほどは小さい時から体の抵抗力がないからっておっしゃっていましたが?」
「え?・・・そうなの?」
そんな事いっていたの?・・・小さい時から・・この人と追いかけっこした事しか 何を喋ったのかわからなくなっている。
 体が震える。分らない ワカラナイ どうして忘れてしまったのか。
「抵抗力が無い、、本当に私が言ったの?」
「はい」
「どうして・・どうして忘れているの?」
 私の目を見ながら胸ポケットから何かを取り出し広げてくれた。
「貴女が大切にしていた物ですよ。貴女は忘れているんじゃない 忘れようとしているだけなんです」
傷つきたくない
「20%の手術の成功率に囚われて 自分は一人だと思って」
変わりたくない 壊したくない
「貴女を取り囲む人達の事を忘れることで」
守りたい 傷つけたくない 誰を?私・・
「違う!私は忘れていない 私は、、、、」
手のひらにあった物を壊そうとする落下にあわせて私の体も壊さないように物よりも早く手のひらを伸ばした。
手のひらで感じる小さな感触 そして
「何もつかめないと思っているだけで 貴女の手はちゃんと掴んでいますよ」
温かい手のひらの温もりの正体 人物が分った。人物の名前を大きな声で叫び流れ出す涙と咳を切ったように泣く私になにをするわけでもなく私を待っている。動くのを

泣く事も疲れて声も出せなくて静寂が流れたと思ったら 目の前にいる人はここの世界の事を教えてくれた。
 蝋人形の館 案内人としての存在 どうして私がここにいるのか 私が今日の『お客様』だから季節も時間もなく ただ流れる流転の時間 魂の安息地でもあり決断の場所
「私の名前・・危ないっ」
強い力で引き寄せられ少し上を見上げればこの人の顔が見える。
苦痛ににじむ表情で 視線に気付いて私のほうをみて何事もなかったように笑い有無をも言わさずに私を前に走る。
「ここにいる限り貴女の体は健康状態です。思いっきり走ってください力一杯 いいですか?行きますよ」
 どうして 何が危ないの?走っている途中で少しだけ振り返ったら下卑た笑いを浮かべた表情が見えた。
余裕で笑う口元と冷たい目が私を威圧する。
「見てはいけません!早く」
 その顔を隠すように 自分の体一杯私の視界を塞ぐ。圧力を感じて怯みかけた体がまた前に前に動けるようになった。
緊張が解けたように 健康状態だからといわれて動く事を制限していた足を思いっきり動かして走る。前に 前に
 気持ちよくて 疲れすら今まで感じたことない感覚に思えて感じないくらいはっきり分かっている事は自分で自分が動かせる事にいとおしさを感じていた。
「いいですか今から私が時間を稼ぎます。3つ目の扉の中に入ってください。その扉の中に少年がいます。
後はその少年と話をしてください」
「え?」
立ち止まったら 真近にいた人は数メートル離れて何かを待っている。
「どうして?一体何が来ているの?」
「これ以上二人で走るのは無理なので」困ったように笑い 聞き取れたのは『侵入者』という単語
 問いただそうとするとさっき見たあの冷たい目が再度見えた。
「いやだ・・・はし、、」
諦めの言葉を出そうとしたら打ち砕くように冷たい目の主が私の視界から消えていく。正確には
「お客様をお守りするための重力を操れますので 今のうちに」
私の目線から下に下にと沈んでいく。
「早く!私のそばから離れてください!!」
弾かれたように体が痙攣し 二人から背を向けて走り出した。

三番目の扉触れると中からあどけない雰囲気の男の子が出てきた。
「ねぇちゃん入って」
促されて入った部屋には簡素な空間で人が一人入るカプセルとそれをつなぐコードと機械があるだけだった。
「これは?」
「ねぇちゃんが1番安全にいられる場所だよ」
「それよりもあの人が、、あの人が、、」
あどけない顔と反比例した鋭い目で
「赤光兄ちゃんが食い止めているから オレ、、いや俺達はお客様を守る事が最優先だから」
「侵入者って何?」
説明もせずに私の体をカプセルの前まで押して
「ここをここにある蝋人形と魂を奪おうとしている存在だよ。ごめん説明している時間ないんだ」
カプセルが開くと同時に押し込められ液体がしたから溢れ出す。
無色透明な液体 冷たさも熱さも無く溢れ出すプールにいるみたいにぷかぷかと浮かんでいる感じ。
呼吸もできる 私を見ている少年は
「ねぇちゃんの心の中を見せてくれる場所だよ。今まで生きてきた事を振り返って忘れようとしている大事な事思い出して」
 とろとろと溶け出す理性と流し込まれ迫る記憶の渦 近くにいた少年の顔が消えて景色変わる。

真っ白だった世界から原色の世界へ
時計の音と綺麗な青空嬉しそうに笑い 時に口笛を吹きながら何かを待っている。
何を?
問い詰めるように忘れている記憶の中にいる自分に触れる。
「・・・・・・」
私はある言葉を口に出した。あの少年が赤光と呼んでいた人の前で叫んだ名前を笑顔で笑っていた自分が私のほうを振り向き悲しそうな微笑を浮かべる。
思い出したらだめとささやく警告を言う。
「でも知らないままいる事が1番怖いよ」はっきりと言い放つと悲鳴に近い声を立ててまた景色が変わる。
 
オモイダシタ・・・・。私が叫んだ名前の彼女の事と私は何を待っていたのか 何をじゃない誰かを・・まっていた。
体が弱いからと遠巻きにされている時に私に手を差し出してくれて人を。
 人付き合いが無かったからなじめない私に声をかけてくれて 一人でいる世界から幅を広げてくれた。
たどたどしく話す私の言葉を待ってくれて 彼女がいると私も笑うようになった。
 彼女が出来なかった事を私が教え 喜んでいつも彼女がいる事が来てくれる事が楽しみになって
20%の手術の事を話した時に
「選択肢があるのに 無難に無難に選んでしまったら選択肢すらなくなる」と言ってくれた
「自分が選んだ事なら後悔する度合いも少ないから」
 不意に見せる哀しい笑顔と強い人だと決め付けていた彼女が見せた弱さを繰り出す言葉の意味を
知りたくなって彼女に聞いたらいつもの場所で待っていてと小さく呟いた。
 いつもの場所、いつもの時間 小さな私と彼女が見つけた場所 私と彼女がいたらその場所は小さな世界になる。
決まったルールを作り 物をおき私に場所を作り、時間になっても彼女は来ないまま 遅くなっていてもきっと彼女は来ると信じて待っていた。
どれくらい時間が経ったかわからない時に彼女の姿が見えた。
 いつものように手を上げて出迎えようとしたら無動作に彼女の体は下に沈んでいった。
『私がくるまで待っていて』それが彼女の口癖。彼女はこの場所に来る途中撥ねられそうな子供を庇い 頭を強く打った脳溢血の状態の体だった。
その事故現場から呼んだ救急車のサイレンの音がなる。眠るように目を閉じた彼女の顔を見ながら片時も話さなかった手紙を渡された。
 かわいいレターセットに私の名前が書かれていて 恐る恐る中身を見ていく。
些細な事でけんかをしたまま不慮な事故にあって双子の姉を亡くした事、どうして『私がくるまで待っていて』が口癖だったのか亡くした姉と同じように自分のそばにいる人が離れていく事が怖かった。
言っていた事がわかった。
 後は自分の口で言うと残して途切れた手紙と眠る彼女とともにすべてを失った 消えた 彗星のように表れて襲った悲しみ そして私は気がつけばこの館にいた。

「ねぇちゃん?」
少年が驚くように私を見る。
 私はもう待ちたくない・・待っているだけで何も出来ないままの自分に戻りたくないから。
「お願い。ここから出して」
「ここが1番守れるから 赤光兄ちゃんに頼まれたから出せない」
扉を見る。辛そうにすぐにでも出たいって顔に表れている。
1番安全 守られるばかりで守ってくれた人が佳境にいても気がつかないまま 手を出せる事もないままの結果は
「もう何も出来ないのは嫌なの!!」
力一杯カプセルを叩く 激しいガラスの音と破片が指先にはいって赤く濡れる。
「行こう一緒に 赤光を助けに」
「ねぇちゃん・・・・」
私の目を見て足早に駆け出し閉じていた扉を開ける。

「青蓮?どうして扉を開けるんですか?」
ぐったりとした口調で私の前にいる少年に尋ねる。
「ごめん、、でもオレ赤光兄ちゃんが傷ついているの見たくないから」
「・・・っ。今日のデザートはなしですよ・・・」
 こんな時にそんなデザートの話をしているなんて しかも瀕死に近い怪我と声を出しているのに。この人天然?
「私が頼んだの。守ってもらうだけじゃなくて 私にも守りたいの貴方を」
 私の叫びと同時に壁が崩れる。声に無い声が私の中に聞こえてくる。
自責と同時にあのサイレンの音 そして赤光の目の前にいた人が彼女の顔に変わる。
「あ・・・う、、、、」
「・・・嫌なタイプの侵入者ですね。人の弱い部分に漬けこむなんて」
無理に体を起こして私の耳を塞ぐ。
声に無い声が私にだけじゃなくて 赤光にも語りかける。
人間の足掻く様が楽しいから どん底までたたき落とすのが楽しいから笑い声がと共に聞こえる。
「じゃあ貴方が楽しいと思うことが全てなんですね」
苦しみ様を見る事で 快楽を得る事を認めた声と一緒に体に痛みが走る。
「ここは貴女の心の中でもあります。貴女が望めば 悲しみに負けなければ」
赤光の声も聞こえなくなる。
真っ白な空間が 白の色が無くなる。
私の心の中?・・・望めば 私の望みは?震える体 思い出した記憶に涙が出る そして彼女の姿。
「私は赤光を助けたい」
 大きな声で もう泣かないようにこれからの自分への言葉と決心。
彼女の姿が壊れてぐったりと横たわっている赤光が私に笑いおつかれさまとありがとうを言ってくれた。
崩れた彼女と共に出たさっきの声の主に赤光が服の中から小さな短剣みたいな物を取り出した。
「さっき楽しい事が全てだって肯定しましたね?」
「私は貴方みたいな存在が1番嫌いです。1番嫌いな人に」
短剣を急所じゃない場所に刺す 悲鳴といっしょにどんどん冷たい目に染まっていく赤光の目と言葉
「1番お好きと言っていた どん底まで叩き落す事をしますよ。ええ、、すぐには息の根を止めませんよ」
楽しそうに見下し 短剣をあらたに2,3本と刺していく。
今まで見た中で残酷で、、だけど何もいえなくて唖然としている私よりも先に
「赤光兄ちゃん。もういいよ。やめてよ!!・・」と青蓮がそして刺されている本人が止めてくれと言い出した。
「これが貴方がしてきた行為の 人を追い詰めて最後の最後まで恐怖に陥れた人の心理です」
そう言い放ち能力の重力を使いその人はいなくなった。

 救急箱で赤光の怪我を応急手当をしながら思い出した事を話す。その話をしながら選択肢を教えてもらい
現実世界に戻る事を決めた。
逃げるのも居心地いい場所にいるばかりじゃなく自分の足で歩きたいから。
私を危険な目に合わせたことを謝り その足で現実世界に続く扉まで案内をしてくれた。
 差し出した手に軽く包み込む重なる手の温もりとここに来た記念のブレスレットをもらう。
細いけどしっかりとした手と人を守る力強い強さを感じながら どうしてあの侵入者にあんなことをしたのか
 ただ存在を亡くすだけじゃなく その前に罪状を叩きつける事で罪の重さを知ってもらいたかったからかな?
自分なりに答えを出し扉を開く。
「今更ですが私の名前は赤光です。さっき言い忘れたいましたから」
 この人しっかりしていそうで意外に天然疑惑と抜けているの?という疑惑を生み出しながら
「私の名前は」
 赤光に名前を告げて私は扉から出た。もうあの空間に 迷いこむ事の無いように。

 目を開けるとそこは学校のあの彼女との待ち合わせ場所だった。
もう来る事の無い彼女を思い出しながら ポケットの中に赤光から渡された手紙を取り出す。
丸文字でかかれた手紙と途切れた答えを知ることも無く 私はこれから・・そう思うと寒い風が吹いてくる。
 手紙を下ろしたら目の前に手紙を書いた主が立っていた。
奇跡的回復で目が覚めて 回復をしてここに来たと事象を説明し途切れた個所を言ってくれた。
 詰まった彼女に私は20%の手術を受ける事をいい 後日20%の確率に勝ち自分の足で走り回っている私のそばに彼女がいる。今までできなかった事をこれからも一緒に 

平等に流れている時間の中でどれだけ生きられるのかは生きて死んでいくまでどれだけの人と会い 守り守られていくのかは自分の出方でしかない。
短くても長くても限りある時間を一人で強く生きられない 一緒に痛い誰かと生きていかれるのか 生かされているのか私にはわからない。
 願いも 強さも 自分の全てを注ぎ込んで今をそしてこれからを生きていこう。きっと後悔なんてしないから。