決心 BGM「ICE BREAKER」

たった一つかけがえのないもの、他の誰にも代わりなんて出来ない存在が僕の中にできた。
嘘をついて誤魔化して周りは騙されても 愛し方すら分からない僕のしてきた事を貴女は騙されずに許してくれなかった。
それは強く、温かくてその温かさが僕にとっては痛かった眩しすぎて、君と過ごした時間はとても楽しくて笑ってばかりじゃなかったけど
笑いながら僕はもしかしたら今日・・明日この幸せと感じる時間がなくなるんじゃないかと不安を抱くようになっていたんだ。
無邪気に笑う君に強さと同時に儚さを感じたんだ。
そうだろ?ねぇ

 雑音じみた記憶と言う名の障害自分自身の記憶がない事になんの焦りも不安もないまま今日に至っていた。
貴女を守れなかった事あんな形で終わりがきた瞬間世界が終わったと思ったんだ もう僕には何もないと何も残っていないと思い込んでいた
歯止めがきかないまま僕はこの場所に来て 君以外の事を忘れて今を生きていた。
君以外イラナイ 何も欲しくない 誰も愛していない
そうやって僕は僕を追い詰めていく 逃げ場もないようにして貴女を忘れない忘れる事はできないように。
僕一人だけ傷ついて辛い挙句の果てにはみんな忘れて
忘れてしまうほどの記憶ならばきっと辛い物で思い出さない方がいい。思い出したらきっと潰れてしまうから
もう少しもう少しだけ何かを言い訳に思い出さない思い出そうとしない自分の逃げ道に執行猶予をつけていたことを許さなかったのは

2度目の許さないをもらったのは兄さんだった。
深く自分以外の誰かを愛せる事を愛している僕は強い気持ちや純粋なものが綺麗に映るようになった。
今まで手に入れていたものすべてを捨てても失ってもかまわないくらい
貴女を愛していた愛している今は冷たくなった貴女だけを
そうして僕は僕を愛してくれた人の事を知らない間に申し訳も出ないくらいどうでもいい扱いをしていた事 手に入れては捨てる初めて犯した罪をそのままにしたままで

現実を知らない閉鎖空間の中
空を目指して 海を目指して 深い森を目指して 赤い何もかも焼き尽くす火を目指して僕は現実の世界から逃げるように絵を描き始めた。
真っ白なキャンバスに色を重ねる そこに描いたのは僕の理想
現実は絵よりも綺麗じゃない事をしって
失望をして誤魔化す事を覚えた 笑顔を浮かべながら描きたくもない風景人物を描く
世界が醜悪だと醜いもので情緒も何も感じないまま僕は小さな世界を生きてきた。僕はきっとこのまま一生を終える
何もあこがれも期待もせずに笑顔で人々を騙しても何も心が痛まない 描きたくもないものを描いて賞賛されてそれらしく振舞う事も何の痛みもないものだと思った。

だからこの血にまみれた手を責める者も呵責を問う存在なんてどこにもない、現れもしないように願って生きていたのかもしれない。
地位の為ならどんな事でもする父親に言われるまま僕は僕というものを認知した時からここと同じような場所にいた。
そこは真っ白で渡された物はパソコンと書物と強要と言う名前の教育訓練
どんなに血を流しても自分の血じゃなければ問題ない そんな集団と人間の世界がはじめに見た世界だった。
小さな手で何かを掴もうとしても掴んだ物は誰かの涙、血、生命・・徹底的に追い詰める為のプログラムを僕は作っていた。
ー直接手を下しているのは他の人だからー
・・だけど心がだんだん崩れていく 望んでいた事も消えてただ自分が生きる為に沢山の誰かを傷つけて踏みつけてそんな事を繰り返し僕は貴女と出会った。

 いつもどんな時でも僕は本当に貴女の不安も悲しみも包み込めたんだろか?そして最後まで貴女は笑ってくれたけど本当に僕でよかったの?
貴女を理解しているふりをしながら何も分かっていなかったのかもしれない。

どうして気が付かなかったのか
貴女だけは僕を束縛したり僕がいるから生きているとかもっと求めてと女性特有の言い回しで甘い声で言わなかった。
貴女をもう一人の自分のように見える瞬間けんかをした時に見せる困ったような顔も規則に近いように見せた孤独な考え方は
いつかきっといなくなる・・それは自分自身でもあり、僕のことでもあり永遠を望んでいないなんて口癖のように言っていたのに
煮えきれない気持ちで自分の事ばかり考えてしまって、貴女の本質的な孤独を孤独じゃないということを言葉だけじゃなく言葉以上の事をしてあげれば
貴女はきっと不安じゃなかったのかもしれないそうなのかもしれない
例え貴女が僕から離れたとしてもあんな終わりになってしまうのならば・・・・・・

育った環境は違っても僕は孤独を知っていた 貴女と出会うまではずっとそうだったから。
 自分のことをどうでもいいように思っていたのにいつどうなったとしてもかまわないなんて思っていた
僕一人が消えることで踏みつけた人たちがどうにかなるわけでもないけれど
怖かった 大切だと心ごと包み込んでくれた人が再びいなくなること離れていくことを
だって僕の手は僕の目は何人もの人を踏みつけて成り立っている存在だから。

わずかに残っている良心と惰性で生きている自分自身の滑稽さその滑稽な所もすべて踏みつけて貴女だけがいればいいなんて
壊れそうな心で貴女を抱きしめてその傍らで父親の手の中で動く僕
優しさ以上の強さをしって愛しさを感じるほど僕は今までの僕じゃなくなっていく。
手にとってくれる貴女とその強さを天秤にかけて過ごしてきた僕らの時間は色あせない思い出として今でも残っている。
その思いがあったから僕は赤光として立っていられる。
 貴女がくれた優しさと強い眼差し 琥珀先輩がくれた名前と力と存在理由があったから聖輝志としてじゃなく『赤光』としていられる。
命名される事は所有権の印でもあり象徴
父親から与えられた名前、教育すべてが嫌だった排除しても拒否をしても体に染み付いて消えない跡が見えない形で跳ね返ってくるから。
「綺麗な名前だね」そういいながら笑ってくれた貴女の言葉を聞き僕は少しだけ自分の名前が好きになった。

それでも拭い切れない罪を抱えていることへの罪悪感や後ろめたさが刻みをつける
その刻みが僕を臆病に脆弱にさせていくことを呼吸を止めるくらいの圧迫を与える
記憶をなくし再び命名を受けた事で『赤光』としての確固たる自分を手に入れた 圧迫していた弱さを弾き飛ばすくらいの毎日を繰り返す
そのことによってやっと本当の意味で僕は僕でいられるようになった
揺るぎがない 誰にも誰の為にも存在するんじゃない自分だけの存在理由を見つけられた事
自我に執着して他人だけじゃなくて初めて自分の事を認められるだけじゃなくて認められるようになった事
それが今の僕であり『赤光』としての基盤
二人からくれた強さに報いる為にも何よりも自分の為に目を隠していた過去を受け止める。

「・・・・・例えそれが辛い物でも、人を傷つける事でも」
僕はもう繕う事も迷う事もできないから
自分自身から逃げる自信もプライドもないから
目を閉じると懸命に前を進む貴女と最後まで自分の生き方と逝き方を決めた先輩の後姿
聞けるはずも叫んでも二人には届かない。

思いは途切れても立ち止まらずに歩く僕に 
思い出した記憶と罪悪感で幼い子供のようになく僕を子供の時泣けなかった僕に
また再び会えるのならば許すような口ぶりで何かを語って欲しい。言って欲しいその目で声で
僕がごめんと言ってしまえばきっと二人は怒るだろう 
ごめんだけじゃない言葉をそれまでに見つける その言葉に対して今まで事のない表情が見たいんだ。

だから今だけは赤光として泣くのでなく聖輝志として泣かせてください。